「青森の無添加石鹸を作る“ゆきの木”について興味がある方」
「ゆきの木 石鹸を作る岩城さんについて知りたい方」にぜひ読んでほしい!
こんにちは!
スイスのホテルスクールを卒業し、京都(Four Seasons Kyoto)・広島(Azumi Setoda)のラグジュアリーホテルで修業し、2024年に青森にホテルを作る事を目標に、2022年9月に青森にUターンしました。
Aomori &Youでは、将来の私たちのホテルに泊まっていただくゲストへ紹介したい青森の人のインタビュー、そしてゲストへおすすめしたい青森の魅力を発信しています。Aomori & Youを通して、いつか青森に行ってみたい!改めて、地元・青森の魅力を知れた!と思ってもらえたらと思っています。
今回は、十和田で無添加の石鹸「ゆきの木」の代表・岩城利英子さんにインタビューさせていただきました。
十和田でシンプルケアの為の石鹸製造とワークショップを行う「ゆきの木」
私が「ゆきの木」を知ったきっかけは、A&Uマネージャーのんたんがゆきの木の石鹸をプレゼントしてくれた事から。
スイスの留学時代、スーパーやドラッグストアに行くと必ず、“Organic”の選択肢があり、私の友達もできるだけオーガニックのものを選ぶという友達と一緒にいた影響で、自然と日本に戻ってきてからもなるべくオーガニックの物を選ぶようにしていました。
とは言っても、ミーハーな私はオーガニック製品について詳しいわけでもなく、、、
「無添加」「オーガニック」と書いていれば大丈夫と思っていたくらいでした。
青森でオーガニックの化粧品を探していてもまだまだ少なかった頃に、のんたんから「ゆきの木さんという無添加で石鹸を作ってる人がいるよ!使ってみて!」と勧められたことから、ゆきの木を知り、「いつか自分のホテルのアメニティーで使いたい!」と思うようになりました。
なので今回、ゆきの木 岩城さんに初めてお会いできるという事でとても楽しみな取材でした!!
十和田市にあるゆきの木さんの自宅兼事務所にお邪魔すると、一番最初に歓迎してくれたのはゆきの木の営業部長だという岩城さんの愛犬「ビック」
ビックにも挨拶を済ませ、事務所へ招かれると早速いつも行っているという石鹸のワークショップを体験させて頂きました。
泡立てネットで石鹸を泡立てる岩城さん。
「そんなに沢山泡立てなくても大丈夫なの。」と30秒もしないうちに、逆さにしても落ちないふっくらした泡ができ、「かわいいでしょ」と泡で雪だるまを作ってくれました。
「手を出して」と片方の手を泡で優しく洗う。
「いっぱい擦らなくていいの。泡で優しく、、、なるべく洗う時間は短く。」といつも汚れをしっかり落とさないと!と時間をかけて洗顔していた私はこの時点で驚いていました。
ぬるま湯で優しく泡を流し、タオルで水気を取った左手の手の甲は、化粧水付けたっけ?と勘違いするほど、しっとりふっくら仕上がっていて、肌の色も明るくなっていました。
すでにしっとりしている私の手にワークショップで作っているというモイストセラムを付けてくれました。
防腐剤を使わない為に商品化をしていないというモイストセラムを肌につけるともっちり!
明らかに何もしていない右手との違いがわかる保湿された肌が完成しました。
「ゆきの木」が目指すのは「シンプルケア」
肌のケアで一番大切だというのが「洗う」こと。
「洗う」ことにフォーカスを当て、白神山地の水、青森発の美容保湿成分 プロテオグリカンなど青森県産の素材を配合した無添加の石鹸を製造から販売まで行っています。
ゆきの木が作る石鹸は、防腐剤・キレート剤・香料・アルコール無添加で昔ながらの製法「釜炊き製法」に独自の製法を加え 60 日以上かけて全行程手作業で作られています。
毎日湿度と温度を調整しながら、60日かけてゆっくりゆっくり水分を蒸発させる事によって、独特なへこんだ形の石鹸が出来上がるそうです。
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ゆきの木が石鹸の製造と共に力を入れる活動が「シンプルケアの方法を伝える」ワークショップ。
製造・販売だけでなく、正しいスキンケアの方法を教えるべく定期的にワークショップを開催しています。
ワークショップでは、石鹸で洗い流した後に付けてくれた防腐剤無添加、アルコール無添加、香料無添加の保湿に特化したモイストセラム作りを体験できます。商品化をしていないモイストセラム作りは、遠方からもわざわざ参加するリピーターが多いそうで、毎回使い終わった容器を持参し、また詰めるという環境にも優しい配慮が。
「ゆきの木」 代表 岩城利英子さん
岩城利英子(いわきりえこ)さん。
青森県十和田市出身。
高校卒業後、上京し東京の美容専門学校を卒業。
その後、東京、十和田、福岡の美容室で働いた後、福岡の無添加化粧品会社で勤務。
31歳福岡時代にアトピーを発症したが、シンプルケアを実践しアトピーを克服。
自身の経験からシンプルケアができる化粧品の製造をしたい!と、43歳の頃に化粧品製造に必要な化学を学ぶべく、北海道ハイテクノロジー専門学校に入学。
卒業後、2016年に合同会社ゆきの木を設立。
2017年4月に化粧品製造業許可を取得し「雪の泡せっけん」を販売開始。
現在、ワークショップと並行しながら、無添加で人にも環境にも優しい青森県産の石鹸を販売している。
「ゆきの木」 岩城利英子さんが地元・青森で無添加石鹸を作るまでのストーリー
はじまりは脱毛の経験から
十和田出身の岩城さんは、高校卒業後、東京の美容専門学校へ入学し、美容の世界へ。
卒業後は、美容師として働いていた岩城さんだが、その頃からアレルギー体質で肌が弱く、美容師時代に頭頂部の脱毛を経験。
その経験からいつか「髪を洗う石鹸を作りたい!」と思うように。
31歳の頃には、アトピーを発症。
「肌に対するストレスをずっと長い年月かけて受けてきた」とその頃を振り返ります。
その後、福岡にあるシンプルケアを推奨する化粧品会社に出会い「ぜひ!学ばせてください!」と門をたたき、就職。
そこで出会った「シンプルケア」という概念がアトピー克服へと導きます。
「普通に何かあったら、いろんな事をやろうと思うじゃない?だけど、私はマイナスのケアをしたの。必要ない成分だったり、ケアを除いてみたら、すごくシンプルになっていって、肌が良くなってきたの。」
皮膚に良いって言われている温泉行ったり、シンプルケアを実践することで、自然な形でアトピーを克服することができたと言います。
この経験から「自分も同じような経験をした人たちの気持ちが分かるから、シンプルケアができる化粧品を提供できる存在になりたい!」と地元・十和田に帰って起業する事を決意!
43歳で専門学校へ入学!学生に戻り、一から化粧品製造の勉強
決意した後の岩城さんの行動力はすごい!
化粧品製造販売業の許可を取得するには化学の専門課程を修了する必要があるそうで、一念発起で北海道にある北海道ハイテクノロジー専門学校へ入学し化粧品を専攻する。
43歳で入学した岩城さんは、クラスでも最年長。高校上がりの子たちと一緒に学んだ3年間の学生生活。
「自分で会社を起こそうと思ったら、やっぱりしっかり責任を追わないといけない。」と覚悟を持って入学を決意した岩城さん。
ー他の若いクラスメイト達とは勉強する意思や意気込みが違ったんじゃないですか?
という質問に、
「最初はただ淡々と勉強してたよ。家に帰ってきても、、、食べる事と寝る事とお風呂に入る事以外はずっと勉強。先生たちにはすぐ辞めるだろうぐらいに思われていたみたい(笑)でも、必死に勉強する姿と学生生活を謳歌する姿を見て、担任の先生に“俺よりよっぽど担任らしかった”って卒業時に言われたの。」
自分の目標の為に学んだ3年間は、他の人には簡単に真似できない岩城さんの強さがあったからなんだと思います。
「宝の3年だった。あの時間があるから、やっぱり今の自分がある。お金も、時間も、かけてるから、そう簡単にやっぱりやめれないっていう覚悟だよね。」
準備期間6年を経て、ついに青森で化粧品会社を起業!
専門学校卒業し、青森に戻り2016年6月「合同会社 ゆきの木」を設立。
起業後、1 年という長いプロセスを経て、2017 年 4 月に念願の化粧品製造業と化粧品製造販売業の許可を取得。
化粧品製造の許可は大変難しく、青森県でも「ゆきの木」を含め数件しかない許可なんだそうです。
ー「ゆきの木」という名前の由来は?
「ゆきの木」という名前はどうやってできたのか伺ってみました。
「起業を決めたときに、九州の会社にいたんですよ。その時に私、北国出身なのでそこの九州の会社で“ゆきんこ”って呼ばれてたんです。なので、“雪“は名前に入れようと思ってました。“木“は温かみがあるイメージがあるし、あと“根付く“っていう意味で、雪っていうのは私、木っていうのは私の思いですね。“私の想いが地域に根付きますように”って思いを込めて名前を付けました。」
「ゆきの木」にしか作れない手作り石鹸
許可を取得し商品を販売し始めたのは、起業後1年半後。
2017年12月にゆきの木 初の商品である洗顔石鹸「雪の泡せっけん」を販売開始。
2020年4月には、美容師時代の脱毛の経験から岩城さんがずっと作りたいと思っていた髪も洗える全身用石鹸「雪の泡せっけん 全身用」の販売を開始。
ゆきの木の石鹸の中でも特に私が興味を引いたのがこの“髪まで洗える”石鹸。
プラスチックを削減できるとサステナブルな固形シャンプーが増えている事もあり気になっていた。
しかし、ゆきの木の石鹸は、髪も洗える“石鹸”であって、シャンプーとは違うそうです。
自然界で生分解性が高い界面活性剤“石鹸”で環境にも人にも優しい石鹸なのです。
2021年2月には、コロナ禍の新しい生活習慣である手洗いに着目した商品「ハンドせっけん」、そして2021年12月には子供から大人まで家族で使える「スノウスフレ」を販売。
青森県産にこだわり「化粧品の地産地消」を目指す
ゆきの木の石鹸には、白神山地の湧き水、青森発の美容成分 プロテオグリカン、五所川原の会社が作るりんごのエキスと心皮など、青森にこだわった素材を石鹸に使用。
ー青森の素材にこだわっている理由は?
「地域のものを使って商品を作ると回るでしょ。」
青森県産の素材を作る人たちがいても、製造業を持っている人が少ないのが現状だと言います。なので、青森の原料を県外の製造会社に頼んで作ってもらい、OEMという形で化粧品を作っている所が多いんだそうです。
そんな現状の中、ゆきの木は県産の材料を青森県の製造者が作って商品化し、消費者に使ってもらうという「化粧品の地産地消」を目指しています。
「ゆきの木」岩城さんのこれからの挑戦
これからやっていきたい事や挑戦したい事について伺ってみました。
「生涯現役! 自分を必要としてくれてる人がいるのであれば、自分の体とお肌と向き合いながら生涯現役で頑張ろうと思っている。」
年齢を感じさせない岩城さん。話しているだけでこちらがエネルギーを頂けます。
岩城さんの好きな青森 #myaomori
最後にAomori & YouのInstagramで皆さんに使っていただいてる自分の好きな青森#myaomori を教えてもらいました!
「やっぱり生まれ育ったところだから、青森が一番いいよね。生まれ育った土地っていうのが肌に合う。福岡に12年、東京に5年、北海道に3年いたんだけど、やっぱり青森が一番。
九州に行ってアトピーになって、体の不調があった事を考えるとやっぱり自分が戻るのは、やっぱり青森だなっていう。だから何がいいって言うよりも、体が喜ぶよね。本当に、なんか頑張ってない感じがいいんだと思うよ。」
ゆきの木 基本情報
@yuki.noki | |
公式HP | https://yukinoki.org/ |
オンラインショップ | https://yukinoki.shop-pro.jp/ |
ワークショップスケジュール | http://1matuno.jugem.jp/ |
「ゆきの木」岩城さんへの取材 まとめ
今回は、十和田市で無添加石鹸を作る「ゆきの木」代表の岩城利英子さんにインタビューさせていただきました。
ゆきの木の石鹸は元からファンだったのですが、初めてお会いし、エネルギッシュで気さくな岩城さんのファンにもなってしまったくらい素敵な方でした。
次回は、ワークショップに参加して、洗顔後のモイストセラムを作りたいと思います!
ぜひ、みなさんも「ゆきの木」石鹸を一度試してみて下さい♪
(ちなみに、取材の日から洗顔をゆきの木石鹸に変えてから肌調子最高です*)
ぜひ、十和田市に行く際はこちらも一緒にご覧ください!
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